お知らせ・日記

HIROKA KISHIMOTO

祝賀会「訪問着」

コーディネート

昨日、国際宇宙ステーション「きぼう」
ご覧になられましたでしょうか?
お隣に住む義母から「今見えてるわよ!」と
教えてもらい急いでベランダへ。

星のように輝き
そして静かに消えて行った「きぼう」
短い間でしたけどとても感動的でした。


さて、今日は着物選びについて
お伝えしたいと思います。

私が着物を選ぶとき大切にしているのは2点
「格」「意(こころ)」です。


「格」は決められたルールのようなもの
「意」は自分の気持ちや考え、
そして想いを込めるもの。


この2つの視点から
その場にあった着物選びをしています。
ご参考になれば幸いです。


先日、祝賀会に出席させていただきました。
15年前からお世話になっている
建築家 深田勝哉さんが、この度
令和2年建設事業関係国土交通大臣厚労表彰を
受賞されたお祝いです。



久しぶりにお目にかかりましたが
変わらずオシャレで格好良く
物腰柔らかな話し方はまさに大人の男性!
本当に素敵な方です。


深田さん
この度は受賞誠におめでとうございます!


さて、今回の着物選び
まずは「格」を考えました。

国土交通大臣功労表彰を
受賞されたお祝いの会

皆さんなら何を選ばれるでしょう?
最も格の高いミセスの第一礼装、留袖?


こちらだとかしこまりすぎます。

祝賀会やパーティーなどの華やかな場に
ふさわしいのは「訪問着」です。
略礼装になりますので格としても
全く失礼になりません。

私が選んだ訪問着はこちら。


大胆なデザインに一目惚れしました。

訪問着といっても染めの着物の訪問着と
織りの着物の訪問着とがあります。

こちらをご覧ください。


(大好きな順子先生との2ショット♡)

こちらは織りの訪問着。
格はどちらも訪問着ですから同格です。
しかし、染めには染めの、織りには織りの
醸し出す雰囲気が全く異なります。



右)染めの訪問着は
デザインの豊かさ華やかさがあります。

左)織りの訪問着は
紬糸の温かな上品さがあります。

同じ訪問着でもどちらを選ぶか、
その時大切になってくるのが
「意(こころ)」になります。

この度受賞された深田さんは
インテリアデザイナーから建築家になられた方
常にデザインと向き合っていらっしゃるので
着物もデザイン性豊かなものをと考えました。

また会場であるザ マグリット
深田さん設計の結婚式場
いつもスタイリッシュで
会場に入ると思わず感嘆の声があがるほど
素晴らしい異空間を創ってくださいます。
そいった場には華やかさが必要です。


となると、
染めの訪問着になりますよね。


そして他にも「意」として

建築業界に功績を残された匠ですから
着物にも匠の技が盛り込まれたものをと考えました。


刺繍、絞り、金の摺箔など盛り沢山に
伝統技術がこの着物に施されています。

そして帯は佐賀錦、松が織られています。


四季を通して葉の色が変わらないことから
「常磐木(ときわぎ)」と呼ばれ
縁起のいい木、吉祥文様のシンボルとして
古来より使われてきました。
おめでたい席にぴったりの文様
末長いご繁栄を願い松の帯にいたしました。

ただ「格」を合わせるだけでなく
「意」に想いを込める、
ここに着物の楽しさの真髄があります。


今回のコーデ
たくさんの方にお褒めいただきました。

私の「意」が着物を通して伝わったのだと
とても嬉しくなりました。


何か特別な日や記念すべき日は特に
「意」を込めたコーデをお選びいただき
着物のストーリーを
継いでいただきたいとたいと思います。