お知らせ・日記

HIROKA KISHIMOTO

着物の達人

着物

今日はとても個性的なお着物を
拝見することができました。

お会いする前から
「着物の達人」と
呼ばせて頂いている方がいらして
どなたかお分かりになります?


お一人お着物の雰囲気
着こなし方が違いますでしょう。


今日のお召し物は
お祖母様が着ていらした
大島紬を色無地と組み合わせて
お仕立てされた着物。

よく着られた大島紬は
パリッとした手触りではなく
少しトロンとするほどに
柔らかい生地になっていて

着るには最高の状態なのですが
裄と丈がかなり短かかったため
色無地の着物と合わせられたそうです。

色の組み合わせが絶妙ですよね!

本場大島紬の泥染めらしい茶色と
卵色に茶が少し入ったような
優しい黄色。

色の調和が素晴らしいので
すごくまとまっています。

もう一点、
ともに光沢という共通点があるのも
調和できている要因かと思います。

色無地は衿


袖の下


裾に使われていて


これをどこに持っていくか
はたまた、大島紬と色無地を
反対にしてみるかによって
雰囲気が全く違ってくるので

この組み合わせはかなりの
センスの見せ所になります。

和裁士さんとご相談して
決められたそうですが
これだけ素晴らしい組み合わせには
お二人の経験とアイデア
そして、感性の素晴らしさが表れています。

織りの着物は着るごとに柔らかくなり
三代目が一番着やすい状態になると聞きます。

初代、二代目が着てくださって
やっと、体に馴染む柔らかさになり
受け継ぐ三代目が
一番気持のいい状態で着られる。

柔らかさとともに母や祖母を
体で感じられる着物って
本当に素晴らしいと思います。

実は私も母から譲り受けた
大島紬が箪笥の中で眠っています。

好みのデザインではないので
着ることがないのですが
父が母のために買った着物であること

そして昔、母は着物を着て
生活していた人なので
やはり柔らかさが特別であること。

ここまで柔らかくなった着物には
母の暮らしが刻まれているようで
お譲りすることも
処分することもできずに眠らせています。

私もこのような組み合わせで
着物を仕立てることができたなら
着物もそして何より
父、母が喜ぶと思うので
いつか仕立ててみたいと思います。

着物の達人にご縁をいただき
より進化した着物の楽しみ方を
知ることができました。


実は達人は鼓の大先輩で
いらっしゃいます。
素敵に人生を重ねていらっしゃる方に
出会えるというのは
未来に希望がプラスされますね。
本当にありがたいことです。

感謝。