お知らせ・日記

HIROKA KISHIMOTO

小倉敦史先生 辻ヶ花展

着物

今日は県北の津山に行ってきました。

津山といえば岡山県の中で
岡山市、倉敷市、そして津山市の順に
三番目に大きな市です。

津山というところは
戦禍を免れた土地だけに
古い建造物が残り
歴史の重みを感じる町
岡山市、倉敷市とは趣が違います。


そんな津山にある
泰安寺というお寺で開催中の
「小倉敦史先生 辻ヶ花展」に伺いました。



辻ヶ花とは、室町時代から
安土桃山時代にかけて繁栄した
美術的に価値の高い
絞り染めの技法です。

これがまたなんとも言えない
細かい作業でして・・・

白地の反物に
青花(あおばな)で下絵を描き
その下絵に沿って並縫いをします。

並縫いをした糸を
キューっと引っ張り、出てきた布を
さらに糸でグルグルに巻き防染するのです。

グルグルに巻いた部分以外を
染料に付けて生地の地色を染めます。

染め上がったものがこちら

グルグルに巻いている糸を解くと
後染めする白い部分が出来上がります。


(白い模様の中に色を染めたり
墨で線や模様を描きます)

模様の中に別の色を染めたい時は
また並縫いをして布を絞り
せっかく染めた下地が
他の色に染まらないよう
下地部分はテープを巻いて防染してから
別色を染めます。


(紺色の部分を染めた写真です)

このような作業を色毎にやっていくのです。

大変という言葉だけで表現するのは
申し訳ないほどに
気の遠くなる作業と細やかな手仕事
こういったお仕事を
されていらっしゃる方たちを
私は本当に神様だと思っています。

そんな神様、小倉先生は
徳川家康の小袖の復元を手がけられ
辻ヶ花染の第一人者として
ご活躍されています。

まず先生にお会いして驚いたのが
ご覧ください
この上品なお色の羽織。

一瞬で目を奪われるほどに
気品ある上品なお色。

三つ紋が辻ヶ花染で描かれています。



こちらは「松葉」と名のついた羽織紐。
名前といいお色といい
また、帯との調和も流石でございます!!

お会いした瞬間
もうズキュン♡とやられました。


染色家というお仕事を
されていらっしゃる方で
これほど上品で色香漂う方に
お目にかかったのは初めてのこと。

どこか梨園の雰囲気を思わせ
気品ある艶っぽさを感じる先生でした。


話し方も大変上品で
しかも知識の量が計り知れなく
次から次へと溢れてくるお話は
宇宙的神秘さを感じ
とても興味深く面白いお話ばかりでした。

先生のお人柄が表れた作品は
どれも色が美しく優しい。






着る人を幸せにする着物
そう感じました。

先生にお目にかかれて大変光栄でした!!

このような機会を設けてくださった
ちんがらや四代目 村上琢磨先生
いつもありがとうございます!

感謝。